アブ・シンベルはエジプト最南端にあり、アスワンからでも280kmあるスーダンとの国境の町です。アブ・シンベル神殿はアスワンハイダム建設によってできた人造湖のナセル湖のほとりにあります。大小２つの神殿はユネスコの国際キャンペーンによりダム建設に伴う水没から救助されたことで知られています。1968年から5年かかりで元の位置より60m高い場所へ移されたものです。
この岩窟大神殿は、今から3300ほど前の新王国時代第19王朝のラムセス2世により建設されました。この王はルクソールのカルナック神殿やルクソール神殿に自分自身の巨大な像を残しています。ここの神殿の巨像とあわせ考えると驚くばかりでした。1813年、砂に埋れていた神殿をスイスの探検家が発見したそうです。大神殿のなかは大列柱室、前室、至誠所があり、列柱にはラムセス2世がカデシュ(現在のシリア）との戦闘
で戦っている雄姿が描かれています。
小神殿は大神殿の東北部100m弱のところにあります。ラムセス2世が王妃ネフェルタリのために建設した岩窟神殿です。中には列柱室があり、柱には王妃の彩色レリーフや牛の女神で角と太陽円盤を頭に載せたハトホル女神レリーフが彫られています。
大神殿の前には両側に豆科のキンゴウカンの木が黄色い花をさかせていました。
空港周辺の建物の周りにマゴヤシ、キンゴジカ、ガザニアなどがあり、心を和ませてくれました。
